藪の鶯

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 田辺花圃の処女作の小説。明治21年1888年)6月出版。

 明治の最初の女性作家による小説。病気で寝ていた花圃は兄の一周忌の法事もできないという小言を耳にし、ならば小説を書いて法事の費用を作ろうと思いついたという。才八という書生から勧められた坪内逍遥の『当代書生気質』を読んで、花圃はこんな小説を書いてみようと思い立たった。書生が坪内逍遥と同郷ということから、坪内逍遥に花圃の原稿を見せ、坪内は原稿に朱筆を入れることになった。父・田辺太一の知人中根淑が編集を行っていた金港堂から出版された。春廻屋朧と称した坪内逍遥の序文、中島歌子の序文が巻頭に並んだ。原稿料は33円20銭。

 女性作家の登場で評判となり、石橋忍月が「藪鶯の細評」(「国民之友」付録「批評」欄、明治21年7月6日)で評価した。